捕物出版blog

捕物出版のブログです。

横溝正史 捕物小説集を3巻出版します

f:id:torimono_shuppan:20190906003207p:plain

横溝正史氏の捕物小説としては人形佐七が著名ですが、その他にも多数の捕物小説が執筆されています。 横溝氏の最初の捕物小説の「不知火捕物双紙」や、太平洋戦争末期の「講談雑誌」に連載された「朝顔金太捕物帳」、これまでまったく単行本に所収されたことがない「左門捕物帳」「鷺十郎捕物帳」などです。 ほとんどの作品が後年人形佐七に書き直されていることや、初出誌をすべて探し

出すことが困難であったことなどから、朝顔金太、不知火捕物双紙なども断片的にしか単行本に所収されていませんでした。

このたび、全作品の著作権処理が完了し、下記の3巻を刊行できる見込みとなりました。

朝顔金太捕物帳 9月20日発売予定 「講談雑誌」昭和19年1月号から昭和20年10月号に連載された14話からなる捕物帳です。中一弥氏と渡部菊二氏の雑誌掲載時の挿絵入りです。

左門捕物帳・鷺十郎捕物帳 10月20日発売予定 単行本化されていない捕物小説で、昭和24~25年に「日光」に掲載された左門捕物帳7編と昭和15~16年の「日の出」に掲載された鷺十郎捕物帳5編を収録。鴨下晁湖氏、土橋一美氏、玉井徳太郎氏の挿絵入りです。


不知火捕物双紙 11月20日発売予定 昭和12年に講談雑誌に連載された横溝正史氏の最初の捕物小説8編と、昭和16年に刊行された単行本の中の紫甚左捕物帳2編、昭和17年に刊行された「南無三甚内」に収録されている不知火甚内物4編を収録します。これまでは出版芸術社の『奇傑左一平 <横溝正史時代小説コレクション 捕物篇(3)>』に1編ずつが収録されていただけでした。

11月からは春陽堂サンが「人形佐七」の全集を刊行されるそうです。出版芸術社論創社で刊行されている書籍と合わせると、横溝正史氏の時代小説はほぼすべてが網羅されることになります。