捕物出版blog

捕物出版のブログです。

横浜市立中央図書館に弊社の単行本8冊を献本しました

昨日、横浜市立中央図書館に本を借りに行ったついでに、弊社の単行本8種類を献本してきました。これが3回目の献本で、最新刊の横溝正史著「左門捕物帳・鷺十郎捕物帳」までが含まれています。

ただ、図書館側の登録作業が遅れていて、現在貸し出しが行われているのは昨年に献本した8冊だけ(写真)で、今年献本した分が貸し出しとなるのには、まだだいぶかかりそうです。

現在貸し出しが行われているのは、納言恭平著「七之助捕物帖」3巻と、有明夏夫著「浪花の源蔵召取記事全集」の5巻です。

これ以外に、いままでに献本した本には、陣出達郎著「新五捕物帳」、山手樹一郎著「遠山の金さん」4巻、城昌幸著「若さま侍捕物手帖」1~8巻、高木彬光著「千両文七捕物帳」3巻、横溝正史著「朝顔金太捕物帳」「左門捕物帳・鷺十郎捕物帳」があります。しばらく先になりますが、いずれ貸し出しが行われる見込みです。

プリントオンデマンドの本は、出版社が在庫を持たなくても良い代わりに、自分でもAmazonから購入するしかないのですが、図書館は本の購入ルートが決まっていたり、入札制をとっているので、Amazon楽天ブックスから本を買う仕組みがないのです。PODの本を出して最も誤算だったのは図書館が置いてくれないことだったのです。

国会図書館に納本しても貸し出しはないので、各地の図書館でご覧いただくには、苦肉の策ですが横浜市立図書館への自腹を切っての献本でした。横浜市内の市立図書館で借りられるのはもちろんですが、全国の都道府県立の図書館でも、送料はかかりますが借り出すことができます。

少しでも地域貢献したいとの思いで献本していますので、ご利用いただければと思います。

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横溝正史 捕物小説集を3巻出版します

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横溝正史氏の捕物小説としては人形佐七が著名ですが、その他にも多数の捕物小説が執筆されています。 横溝氏の最初の捕物小説の「不知火捕物双紙」や、太平洋戦争末期の「講談雑誌」に連載された「朝顔金太捕物帳」、これまでまったく単行本に所収されたことがない「左門捕物帳」「鷺十郎捕物帳」などです。 ほとんどの作品が後年人形佐七に書き直されていることや、初出誌をすべて探し

出すことが困難であったことなどから、朝顔金太、不知火捕物双紙なども断片的にしか単行本に所収されていませんでした。

このたび、全作品の著作権処理が完了し、下記の3巻を刊行できる見込みとなりました。

朝顔金太捕物帳 9月20日発売予定 「講談雑誌」昭和19年1月号から昭和20年10月号に連載された14話からなる捕物帳です。中一弥氏と渡部菊二氏の雑誌掲載時の挿絵入りです。

左門捕物帳・鷺十郎捕物帳 10月20日発売予定 単行本化されていない捕物小説で、昭和24~25年に「日光」に掲載された左門捕物帳7編と昭和15~16年の「日の出」に掲載された鷺十郎捕物帳5編を収録。鴨下晁湖氏、土橋一美氏、玉井徳太郎氏の挿絵入りです。


不知火捕物双紙 11月20日発売予定 昭和12年に講談雑誌に連載された横溝正史氏の最初の捕物小説8編と、昭和16年に刊行された単行本の中の紫甚左捕物帳2編、昭和17年に刊行された「南無三甚内」に収録されている不知火甚内物4編を収録します。これまでは出版芸術社の『奇傑左一平 <横溝正史時代小説コレクション 捕物篇(3)>』に1編ずつが収録されていただけでした。

11月からは春陽堂サンが「人形佐七」の全集を刊行されるそうです。出版芸術社論創社で刊行されている書籍と合わせると、横溝正史氏の時代小説はほぼすべてが網羅されることになります。

 

 

 

著作権継承者の方を探しています。 

捕物出版では下記の作品の刊行を企画しており、著作権継承者の方を探しています。

お心当たりのある方はぜひご一報願います。


九鬼紫朗 稲妻左近捕物帖  森達二郎 相良一平捕物帳 島本春雄 振袖小姓捕物控
谷屋 充 田町の玉吉捕物帳 三好一光 清吉捕物帖   北園孝吉 花牧竜之介捕物帖

本日の朝日新聞に捕物出版のことが掲載されました。

本日の朝日新聞朝刊、別冊の「be」に連載されている「サザエさんをさがして」のコーナーは、「捕物帳」というタイトルで、「埋もれた名作、掘り起し」というサブタイトルがついた記事となっています。
その中で捕物出版の取り組みが紹介されました。七之助捕物帖や若さま侍捕物手帖の刊行について紹介いただきました。
今年は7月に、あの春陽堂書店が「人形佐七捕物帳」全集の刊行を始めるということもあって、このような記事となったものと思われます。
朝日新聞の記者は、ある書評家の方(おそらく縄田一男さん?)から「捕物出版って知っているか?」と弊社を紹介されたようです。
(新聞記事の著作権保護より、画像は解像度を落してあります。ご了承ください)

Amazon、PODの翌日配達を中止?

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4月1日発売の「若さま侍捕物手帖」第2巻は、何人かの方への献本を含め、すべて4月1日の発売日に無事に到着したので、PODの本の印刷・製本の工程のトラブルも一段落したのかと、一安心していたのですが・・・。
今日、Amazonの販売ページを見たら、「通常4日以内に発送します」となっていました。弊社の本だけではなく、他社のPODの本も同様に変更されていました。
慢性的な遅延については、私からもクレームは付けていて、特に「入荷の遅れ」というメールや、できもしない「お急ぎ便なら翌日配達」の表示はやめてほしいと要望していたのですが、おそらく他の書店や取次からも猛烈なクレームがついたのではないかと思います。
これが暫定措置なのか、恒久的なものなのかは判りませんが、約一か月サイト上では何も対処せずにAmazonは放置していたトラブルですから、暫定的な措置ならもっと早くできた筈なので、これは恒久的なものである感じもします。
通常4日以内に発送とは、また思い切って延ばしたものですが、虚偽の表現よりは、好感を持ちました。もちろん、迅速な発送を心がけてほしいとは思いますが・・。

発送遅延のお詫びと、Amazonの虚偽説明について

Amazonのプリントオンデマンドが正常に機能していない状態が、ここ数週間続いています。残念ながら3月20日発売予定で予約注文が受け付けられていた「遠山の金さん(下巻)」も結局3月20日には出荷されませんでした。
読者の皆様には、度重なるAmazonの出荷遅延に対して、こころからお詫び申し上げます。

ただ、発売日当日の出荷については危惧はしていたので、やっぱり・・という感じなのです。しかし今回は、これは由々しいと思ったのは、下記のようなメールが注文したお客様に対して送られていることです。

発送の遅延は「入荷の遅れ」によるという文面なのですが、AmazonのPODは、Amazonの市川のフルフィルメントセンターで印刷・製本されている、つまりAmazonの倉庫内で造られているのですから、「入荷の遅れ」は明確な虚偽説明です。
社会通念的に見て、物流センターの倉庫への納品が遅れているなら「入荷の遅れ」でしょうが、倉庫内からの遅延は「出荷の遅れ」であるべきです。
さらに、これはAmazon機械的に送るメールであるためなのですが、「入荷の見込がないことが判明した場合には」という文面があることです。
プリントオンデマンドがAmazonで行われているということを御存知の方ばかりではないことは勿論ですから、このメールを受け取った方の中には、原因は版元からの出荷の遅れであり、さらには出荷の見込がなくなる可能性のあることをAmazonから通知されたことになります。
版元としての捕物出版に非があるわけではありませんが、このメールを受け取った方は、「捕物出版」という版元に対して、怪しげな業者なみの悪印象を抱いたとしてもおかしくはないでしょう。
Amazonが自社のシステムの不具合を棚に上げて、通販事業者としては最も根本的な発送遅延、本来の「お届け日」に商品が着かないという、通販の信頼の根源である事項に対して、原因を他責にする虚偽の説明を行っていることは社会的に糾弾されるべきものと思うのです。

またAmazonのシステムは版元を選んで故意の操作が行えるような気の利いた物ではないので、プリントオンデマンドの版元は、弊社に限らず、全面的に被害を受けているはずです。

慢性的な遅延を数週間も放置し、実際にはできもしない「翌日お届け」をPODの本に対しても続けているのは、継続して行われている虚偽宣伝、誇大広告でもあります。もはや社会的なバッシングを受けるべきレベルだと思うのです。

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Amazonがお客様に対して送っている発送遅延に関する虚偽説明